朗読

「YOSEコン」終了、そして…

毎年、初めての読みは柳ヶ瀬で迎えていましたが、移転とリ・スタートが重なってことで、名古屋・千種「5/Rホール&ギャラリー」での「YOSEコンサート」が今年の読み始めとなりました。ご来場をいただきました皆様、誠にありがとうございました。

このドラマリーディング「国境の詩」の台本を受け取った時、まず考えたのは、私の中にある、どんな風景と結びつけるか、でした。借り物ではない、身につけているものからでないとうまく行かないだろうとも思いました。昨年までと違っていたのは、そういう「風景を描く」ということへの意識が、よりはっきりしてきたという実感があることでした。読みながら、45分間の旅をしている、そんな心境でした。

というのも、同じようなことを、聴いていただいたお客様のひとりからメールでいただいたのです。「あたかも私も列車のボックス席の向かいに座ってその場にいる感覚でした。」と。少しは伝えることはできたのかもなあ、と感じています。 でも、まだまだ旅が必要です。書かれた言葉を染め抜くための、確固たる音と声を目指さねば、とも思います。

今回共演の堀田菜穂子さん、作・演出のにへいたかひろさん、音響の鶴田真弓さん、そして5/R代表の伊藤さんはじめスタッフの皆様に大変お世話になりました。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします!

1月31日は「YOSEコン」です

昨年スタートした「朗読会拓使」以降、楽器やジャンルを問わず、ミュージシャンの方と舞台をご一緒することが続きました。そこで改めて気付かされたのが、「聴く力」の価値でした。聴くことができれば、先へ進むことができる。例えテキストへ向かう姿勢が稽古の段階で上手くいかなくても、聴くことができればその状態は長くは続かない。あまりひどいことにはならないし、きっと状態は上向いていく。そう信じています。

と、いうわけで今回も、私の台詞がどう、テキストがどうという前に、私の聴きっぷりを是非聴きに来ていただきたい、と思いご案内です。今週木曜、1月31日(木曜日)、千種駅近くの「5/R Hall&Gallery 音楽ホール」で開催される「YOSEコンサート」の1プログラムに参加させていただきます。出会って15年と少し、長いお付き合いになりました劇団「よこしまブロッコリー」のにへいたかひろさん、2月には「劇団いがいと女子」での本番も控える堀田菜穂子さんとご一緒します。

冬の話です。 とはいっても渡された言葉には明示的にそれとわかるものはありませんので、聴いていただく方にとっては夏とも春とも思われる話になるかもしれません。 場所も同じです。 たぶん砂漠と境を接した、どこかの平原を走る列車の中で、どこかに向かう、いつかを生きた男女の話です。今を生きる私たちのほとんどがそうであるように、きっと後世の歴史には語り継がれることもない一場面のスケッチです。だからこそ、皆さんが過ごして来られたそれぞれの時間と擦れ合う瞬間も、あるいは見つけていただけるかもしれません。

是非多くの皆様に、「聴き」に来ていただけることを願っています。よろしくお願いいたします!

【公演情報】

料金 全席自由: 一般 1,500円  MSC会員 1,000円※当日は各500円増し
① 15:45開演(〜16:30)田中由美子(S)&堀田みづほ(Pf)
② 16:45開演(〜17:30)山川慎平(和太鼓)
 〜中入り〜 (17:30〜18:30)
③ 18:30開演(〜19:15)歌+ドラマリーディング:堀田菜穂子&ニシムラタツヤ&にへいたかひろ
④ 19:30開演(〜20:15)原田美織(S)&福井真由美(Fl)&鬼頭久美子(Pf)
 
※入替なし/出入り自由です。一つの番組だけ聴いても、全ての番組を聴いても、料金は同じです。

今日また、ここから(1)青空文庫朗読コンテスト

一昨日の、大阪市青少年センターで行われました、「第10回 青空文庫朗読コンテスト(主催:一般社団法人日本朗読検定協会)」において、687名の参加者から、本選出場者の30名に入り、本選での朗読の結果、第2位にあたる銀賞をいただくことができました。本日ここまで、本当にたくさんのお祝いの言葉をいただきまして誠にありがとうございました。

これまで、2015年に行われたこのコンテストの第7回で審査員特別賞、翌年の第8回で銀賞、1回お休みを挟んで今回こそはてっぺん(金賞)と思ったのですが、一歩及びませんでした。しかし、今回課題として取り組んだ「海酒」(作/田丸雅智海色の壜」所収)に出会えたことは、まさに朗読者としての財産になりました。これから是非、長いお付き合いをさせていただきたいと思います。田丸さん、この度はお世話になりました。ありがとうございました!

で、新大阪駅で他の参加者の皆様からお祝いをいただき、帰宅して日が変わって日曜日、たまっていた疲れからか起き上がることもできず、午後になってようやく前々からの約束の場所へ行ったわけですが、これは改めて。

終わります。そして、はじめます。(2)

昨日、喫茶モノコトでの2回をもちまして、「朗読会拓使」vol.1はすべての日程を終了いたしました。

共演していただきました石橋玲さんを始め、札幌公演にご出演の福島朋子さん、石橋俊一さん、渡辺義人さん、キクチマコトさん、モノノケユースケさん、名古屋公演の天野初菜さん、そして両会場にご来場いただきました皆様、会場として使わせていただきましたcafe et craft yue ならびに喫茶モノコトの皆様、当日のアンケートやSNS等で広報へのご協力や感想をお寄せいただきました皆様、その他関わってくださったすべての皆様に、改めて深く御礼を申し上げます。

本当に、ありがとうございました。

しかし、いつもながらモノコトのフード&ドリンクメニューは絶品でした。写真はトコナツカレーと3層のシロップが美しいジンジャーエールです。

さて。こういう謝辞に続けて振り返りの文章をつらつらと書き連ねるというのが、世間一般によく見られるパターンなのでしょうが、そういうものではなく、私自身にとってこれからの展開を考えてばかりいるここまでのところです。個人的な振り返りには自分以外にあまり意味がなく、次をどうするか、ということでしかない。そのことを実感しました。

確かに記録は記録として、苦しい局面の自分を励ましてくれることもあるけれど、やはりこれからやってくる未来に何をなすべきか?読み手として何ができるか、どれだけ楽しいことをできるか、そういうことを考えていきたいと強く、強く思っています。次回以降の予定、内容が固まり次第早々にお知らせしたいと思います。

さて、秋はこれから。そして秋は関西の秋になるかも。詳細は次のエントリで書きます!

終わります。そして、はじめます。

日付が変わりました。当日です。9月29、30日に札幌・cafe et craft Yuiで開幕しました「朗読会拓使」vol.1、本日の名古屋・喫茶モノコトでの2回をもって千秋楽となります。

チケットは開演2時間前、午後2時の回は正午まで、午後5時30分の回は午後3時30分までご予約をお待ちしております。→https://ws.formzu.net/fgen/S37382354/

今回、この企画を立ち上げるに当たって、たくさんのことを考えました。そして、足かけ8ヶ月くらい、その時間は続きました。そのほとんどが「距離」にまつわることでした。テキストとの距離、相手との距離、楽器及び音楽そのものとの距離、等々。それらをどう読み取り、どう自らの表現として打ち出すか、それを考えるのはとても楽しい時間でした。

もう1つ、常に頭の中にあった、これは主に特定の個人がいるのですが、これにふれるのは終わった後にしておこうと思います。あくまで、大切なのは今日、これからの時間ですし、その人に言及するにはまだ早すぎると思いますので。

では、寝て起きてからの午後、喫茶モノコトでお目にかかれますことを楽しみにしております。井上ひさしさんの、「父と暮せば」の世界が少しでも、聴くあなたの記憶に残りますように。

写真は兎ゆうさんにお借りました。ありがとうございました。

ニシムラタツヤ拝

「朗読会拓使vol.1」開幕。

 

日付変わって9月30日。札幌の定宿のラウンジでこれを打っています。2018年。個人的にはもっとも重要なプロジェクトとして位置づけてきた「朗読会拓使」が札幌から開幕しました。

札幌での最近の流行に「〆パフェ」というものがあるそうで。飲みや宴会の後に店を変えて、各種のフレーバーのパフェをいただくというもので、今回の会場となった、「cafe et craft yue」もその中の人気店に数えられるところです。

特に週末の夜はすすきのと狸小路商店街のちょうど中間、南3西4という立地もあって、通常営業を優先するという方針もあり、今回は土曜日の昼、日曜日の昼と夜という変則的なスケジュールになっているのです。

もちろん初体験の業態の店内で開催した朗読でしたが、ご来場の皆様にも助けられ、無事に読み切ることができました。もちろん、細かなトラブルはあるにはあったにせよ、それも含めてライヴということにしておきます。

沖縄地方から関東甲信越まで、台風24号の襲来が心配される中で、こう普通に過ごさせていただくのが心苦しい気もするのですが、今の私自身にやれることを、ということを考えつつ、今日もお店でお待ちしております。

ご予約はまだお待ちしております。2時間前までなら前売扱いとさせていただきます。

https://ws.formzu.net/fgen/S37382354/

43歳。

10年前かあ、……何してたかなあ、と画像を漁っていました。上の画像は、2008年6月に行った朗読ライブ「三十代の潜水生活」その2のロゴ。この時のゲストは、もう今では名古屋の演劇シーンでは押しも押されもせぬ存在になられた、「空宙空地」のおぐりまさこ嬢でした。なんかいろいろ読んだ気がします。著作権の問題とか、実はほとんど気にしていなかった気がします。ああ、若いって恐ろしい。まあ、すでにこの時点で大して若くなかったのですが。この写真のように…。

43歳になりました。SNS全盛の時代、特に誕生日ともなりますと、すっかりご無沙汰している皆さまからも毎年、山のようにお祝いされるのが非常に面はゆい思いをするのですが、今年はそれらに対するお返事、もう決まっているのです。

「ありがとうございます。でも言葉だけじゃなく、アクションをください!10月の『朗読会拓使』、是非お越しください!。聴きに来るというお祝いをください!」

はい、わがままです。分かっています。誕生日くらいしかこんなこと言えないので言ってみました。ひとりの俳優が、俳優以外のもろもろもちっとも諦めることができないまま、こんな所まできてしまいました。でもやっと、ようやっと、「読む」という行為、表現することに対して、しっくりくる感触がやってきたような気がするのです。思い違いかもしれません。悪あがきかもしれません。でももう、これ以上逃したくのです。たとえそういうものであっても。

読むこと、奏でること。そして旅をすること。これらをひとつに包みこんで、これから歩いて行こうというのが「朗読会拓使」です。会って、拓く。限りある人生を無駄遣いしたくないのです。淀みない生命を生きたいのです。あれ、さだまさし御大みたいだな。まあいいや。とにかく、そういうことです。

ここまでわがままを許してくれた父母、京都の弟夫婦、職場の皆さま、そして名古屋はじめ各地方の演劇関係の皆さま、全国にちらばる朗読仲間の皆さまに深い感謝を。愛してます。そしてこの1年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

9月末は札幌、10月7日はちくさ正文館の上、喫茶モノコトでお待ち申し上げております。

2018年9月24日 ニシムラタツヤ拝

106回目終了!いよいよ「朗読会拓使」

昨日は「朗読濃尾」(ノーヴィ)通算第106回でありました。すっかり涼しくなった夕方の柳ヶ瀬は、夏の間続いていたイベントも一段落して、いつもの静けさ…を、取り戻していてはいけないんですけれども。

街が、少しずつ動き始めました。ずっといしぐれ珈琲のお隣さんで、朗読するのを見守ってくれていた靴の「TANPOPO」も移転・店じまいして、そこにいよいよ、再開発の工事概要が張り出されました。店番をしていたお母さんは、閉店と同時に退職されたのことで、ご挨拶もできないままでした。店は神田町通りの本店に集約されたとのことです。

同じく今年限りで立ち退くことになるであろう、「オギウエサイクル」の奥様が横を通られたり、名残を惜しむように向かいの「大福屋」のお母さんは相変わらずニコニコ聴いてくださっていますが、そんな中で読む「新書太閤記」は、この先どんな意味を持っていくのかな、と考えてみたり、短い時間のうちにいろいろなことを考えました。

Facebookには短いバージョンを貼りましたので、こちらにはこれを。

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中ほどの5分間です。信長と森蘭丸って、いわゆるBL的な二次創作されやすい題材だった気がしますが、もともとはさっぱりしたもので、だからこそ受け手の想像力をかき立てられる関係性が立ち上がるのでしょうね。

さて、岐阜での次回は10月27日ですので、いよいよ来週は札幌で、再来週は名古屋モノコトで、「朗読会拓使」Vol.1が迫ってきました。普通の演劇と比べると地味ー、と思われそうなところでしょうがそこは井上ひさし作品、モノが違います。読み手がそこにおいて行かれないよう、しっかり務めたいと思います。

最後に、「朗読開拓使」ではなく、「会拓使」としたのは、今回の石橋玲さんを始めとする出演者の方、ミュージシャンの方々と打ち合わせていると改めて感じることですが、何事も「わたし」からしか始まらないけれど、「あなた」とあわなければ続かない。そういう弱さを抱えながら「会って」いくことこそが大切なんだな、と。そしてこれからもそうしていくことの、軽くもなく、重くもない決意表明、という意味合いを込めています。どうぞよろしくお願い申し上げます。

ご予約はこちらから→ https://ws.formzu.net/fgen/S37382354/

以上、たぶん42歳最後の更新でありました。

次回は怪談!8月25日の「朗読濃尾」

当初から、7月28日(土)という日付は、長良川全国選抜花火大会とかぶっていまして、例年なかなかお越しいただける方が少ないということを前回のエントリで書かせていただきました。しかし、日程をその後検討しても、やっぱりカブる形でしかやれなさそうでしたので、ここは普段と角度を変えて、夏の終わりのひとり怪談大会、とまいりたいと思います。8月25日(土)に「朗読濃尾」第105回目を開催いたします。

読むのは、田中貢太郎「赤い土の壺」です。https://www.aozora.gr.jp/cards/000154/files/52248_47288.html

普段は「新書太閤記」という、織田側から編まれた歴史を元にした作品を読んでいますが、今回のこの作品は、まったく信長も秀吉も出てきません。斎藤道三から始まった稲葉山斎藤家三代の仲違いから生じた諍いに材をとった作品です。

是非事前に読んでいただいて、その上でどんな風に聞こえるのかということを実際に体験していただけますと、1本で2倍おいしいというグリコみたいな話になることうけあいです。是非いしぐれ珈琲へのご来場をお待ち申し上げております。

なお、トップの写真に意味はありません。ただやってみたかっただけです。後悔はしていません(笑)

明日の「朗読濃尾」は中止・延期します

今夜から明日にかけて、台風12号の東海地方への接近が心配されているようです。Yahoo!天気でも、岐阜県は「雨や雷雨で大荒れの天気となり」との予報がされています。

https://weather.yahoo.co.jp/weather/jp/21/

また、ちょうど裏で(お前の方が裏だろと言われること必至ですが)開催予定でした、「全国選抜長良川中日花火大会」も、8月25日に延期となったそうです。

http://www.chunichi.co.jp/chuhana/

というわけで、毎度この時期ばかりはお客様の足も遠のいてしまう回でもある上にこの天気となることですし、今回はこちらも中止とし、また改めて開催の日程を決めたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

写真の木曽川(笠松付近)も、どうか氾濫などが起こりませんように…。