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考え違いー身体にことばを入れること

新年以来、Twitterは別にしてしばらく長い文章を書いていませんでした。理由はいくつかあるのですが、そこまでのことと、明日のことを書きたいと思います。

昨年11月の「青空文庫朗読コンテスト」が終わった後、札幌に行って、明日に備えて稽古をはじめるまで、この活動日報やFacebookにも残しましたが、「書いてあるものを読めばいい」と思っていましたし、実際そうしていました。しかしこれは、ある種の逃避だった。逃げていたなと気付きました。

読むことばに、予断や力みを持つことなく向き合うことはとても大切だと思います。しかしそれは、書かれた世界のことを余すことなく自分の身体と意識の中に落とし込んで、まがりなりにもそのすべてを隈なく見通すことができる、とある納得を得た上でこそ可能になるのです。このあたりが、より正確性と瞬発力と、時にはひらめきを必要とされる、一般のリーディングやアナウンスメントと朗読が異なるなのかもしれません。

そういうことを考えながら、この3週間くらいは1本の短い原稿に向き合っていました。それが明日の「第9回 朗読コンクール」(主催:日本朗読文化協会)の準備でした。明日の今頃には新幹線で東京に着いている頃だと思います。もし、今からでも聴きに来ていただけるという方、いらっしゃいましたらお知らせください。チケット、まだご用意できると思いますので。

残念ながらという方は、こちらを。先週の柳ヶ瀬で収録した、山本周五郎「赤ひげ診療譚(たん)」の冒頭作、「狂女の話」です。編集面でもすこし工夫をしつつ、YouTubeにアップしました。この後、朝9時ごろには全編を見られるようになるはずです。どうぞよろしくお願いいたします。次の柳ヶ瀬は、2月29日(土)です。

1月31日は「YOSEコン」です

昨年スタートした「朗読会拓使」以降、楽器やジャンルを問わず、ミュージシャンの方と舞台をご一緒することが続きました。そこで改めて気付かされたのが、「聴く力」の価値でした。聴くことができれば、先へ進むことができる。例えテキストへ向かう姿勢が稽古の段階で上手くいかなくても、聴くことができればその状態は長くは続かない。あまりひどいことにはならないし、きっと状態は上向いていく。そう信じています。

と、いうわけで今回も、私の台詞がどう、テキストがどうという前に、私の聴きっぷりを是非聴きに来ていただきたい、と思いご案内です。今週木曜、1月31日(木曜日)、千種駅近くの「5/R Hall&Gallery 音楽ホール」で開催される「YOSEコンサート」の1プログラムに参加させていただきます。出会って15年と少し、長いお付き合いになりました劇団「よこしまブロッコリー」のにへいたかひろさん、2月には「劇団いがいと女子」での本番も控える堀田菜穂子さんとご一緒します。

冬の話です。 とはいっても渡された言葉には明示的にそれとわかるものはありませんので、聴いていただく方にとっては夏とも春とも思われる話になるかもしれません。 場所も同じです。 たぶん砂漠と境を接した、どこかの平原を走る列車の中で、どこかに向かう、いつかを生きた男女の話です。今を生きる私たちのほとんどがそうであるように、きっと後世の歴史には語り継がれることもない一場面のスケッチです。だからこそ、皆さんが過ごして来られたそれぞれの時間と擦れ合う瞬間も、あるいは見つけていただけるかもしれません。

是非多くの皆様に、「聴き」に来ていただけることを願っています。よろしくお願いいたします!

【公演情報】

料金 全席自由: 一般 1,500円  MSC会員 1,000円※当日は各500円増し
① 15:45開演(〜16:30)田中由美子(S)&堀田みづほ(Pf)
② 16:45開演(〜17:30)山川慎平(和太鼓)
 〜中入り〜 (17:30〜18:30)
③ 18:30開演(〜19:15)歌+ドラマリーディング:堀田菜穂子&ニシムラタツヤ&にへいたかひろ
④ 19:30開演(〜20:15)原田美織(S)&福井真由美(Fl)&鬼頭久美子(Pf)
 
※入替なし/出入り自由です。一つの番組だけ聴いても、全ての番組を聴いても、料金は同じです。