【見るべし】札幌演劇シーズン2018夏 #ses100 「センチメンタル」

夏休みと「朗読会拓使」の準備を兼ねて札幌に滞在中、その2です。「札幌演劇シーズン」2本目、弦巻楽団の「センチメンタル」。昨夜の初日を拝見しました。今日以降25日まで新さっぽろのサンピアザ劇場で上演中です。

先に上げた「12人の怒れる男」も、同じ日に観た「アピカのお城」も千秋楽前日だったため、おすすめしても役立てて頂けた方はほとんどいなかったのではないか、と思いますが、今回はまだ9ステージ残っています。

札幌近郊の方だけではなく、ぜひ内地(本州のこと)の方も旅行ついでにお越しになるといいのではないかと思います。以下、雑感を。

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現在から未来に向けてではなく、感傷(Sentimental)は過去に向けてどこまでも遡る。遡るというより、いつまでもそこに留まろうとする。他人にとっては取るに足らない悪あがき、ですらないことがほとんどだ。ほとんどだけなのだけれど、人は生きる分過去ばかりが重くなる。そして知らない間に足を取られ、搦め手に抗えなくなる。
教え子とその親の関係が終わり、紆余曲折を経て夫婦となっても、呼び名は変わらない。先生と呼ばれるその人も、先立たれた前妻と、彼女が残した未完の物語を抱え続けている。彼女との思い出の塊たる自宅が灰燼に帰しても。
そして、そんな先生を前にした彼女もそのことを承知している、わけじゃない。心の底では疑っている。でも許している。許さざるを得ない自分がいることも分かっている。でも。
それぞれが、それぞれの記憶を前に、自らの過去と現在、そして未来に逡巡する。そのとば口に立っている子どもたちの背中越しに、それこそが人生であることを見せている。

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決して一筋縄ではない、そのひとの人生を生きることこそ、望むことに臨むことの尊さを丁寧すぎるほど丁寧に描いたのが、弦巻楽団 @tsurugaku の「#31センチメンタル」です。 ニシムラ、本気でお勧めします。

詳しくは#札幌演劇シーズンの公式サイトをご覧下さい。

#ses100

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