2018年9月

「朗読会拓使vol.1」開幕。

 

日付変わって9月30日。札幌の定宿のラウンジでこれを打っています。2018年。個人的にはもっとも重要なプロジェクトとして位置づけてきた「朗読会拓使」が札幌から開幕しました。

札幌での最近の流行に「〆パフェ」というものがあるそうで。飲みや宴会の後に店を変えて、各種のフレーバーのパフェをいただくというもので、今回の会場となった、「cafe et craft yue」もその中の人気店に数えられるところです。

特に週末の夜はすすきのと狸小路商店街のちょうど中間、南3西4という立地もあって、通常営業を優先するという方針もあり、今回は土曜日の昼、日曜日の昼と夜という変則的なスケジュールになっているのです。

もちろん初体験の業態の店内で開催した朗読でしたが、ご来場の皆様にも助けられ、無事に読み切ることができました。もちろん、細かなトラブルはあるにはあったにせよ、それも含めてライヴということにしておきます。

沖縄地方から関東甲信越まで、台風24号の襲来が心配される中で、こう普通に過ごさせていただくのが心苦しい気もするのですが、今の私自身にやれることを、ということを考えつつ、今日もお店でお待ちしております。

ご予約はまだお待ちしております。2時間前までなら前売扱いとさせていただきます。

https://ws.formzu.net/fgen/S37382354/

43歳。

10年前かあ、……何してたかなあ、と画像を漁っていました。上の画像は、2008年6月に行った朗読ライブ「三十代の潜水生活」その2のロゴ。この時のゲストは、もう今では名古屋の演劇シーンでは押しも押されもせぬ存在になられた、「空宙空地」のおぐりまさこ嬢でした。なんかいろいろ読んだ気がします。著作権の問題とか、実はほとんど気にしていなかった気がします。ああ、若いって恐ろしい。まあ、すでにこの時点で大して若くなかったのですが。この写真のように…。

43歳になりました。SNS全盛の時代、特に誕生日ともなりますと、すっかりご無沙汰している皆さまからも毎年、山のようにお祝いされるのが非常に面はゆい思いをするのですが、今年はそれらに対するお返事、もう決まっているのです。

「ありがとうございます。でも言葉だけじゃなく、アクションをください!10月の『朗読会拓使』、是非お越しください!。聴きに来るというお祝いをください!」

はい、わがままです。分かっています。誕生日くらいしかこんなこと言えないので言ってみました。ひとりの俳優が、俳優以外のもろもろもちっとも諦めることができないまま、こんな所まできてしまいました。でもやっと、ようやっと、「読む」という行為、表現することに対して、しっくりくる感触がやってきたような気がするのです。思い違いかもしれません。悪あがきかもしれません。でももう、これ以上逃したくのです。たとえそういうものであっても。

読むこと、奏でること。そして旅をすること。これらをひとつに包みこんで、これから歩いて行こうというのが「朗読会拓使」です。会って、拓く。限りある人生を無駄遣いしたくないのです。淀みない生命を生きたいのです。あれ、さだまさし御大みたいだな。まあいいや。とにかく、そういうことです。

ここまでわがままを許してくれた父母、京都の弟夫婦、職場の皆さま、そして名古屋はじめ各地方の演劇関係の皆さま、全国にちらばる朗読仲間の皆さまに深い感謝を。愛してます。そしてこの1年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

9月末は札幌、10月7日はちくさ正文館の上、喫茶モノコトでお待ち申し上げております。

2018年9月24日 ニシムラタツヤ拝

106回目終了!いよいよ「朗読会拓使」

昨日は「朗読濃尾」(ノーヴィ)通算第106回でありました。すっかり涼しくなった夕方の柳ヶ瀬は、夏の間続いていたイベントも一段落して、いつもの静けさ…を、取り戻していてはいけないんですけれども。

街が、少しずつ動き始めました。ずっといしぐれ珈琲のお隣さんで、朗読するのを見守ってくれていた靴の「TANPOPO」も移転・店じまいして、そこにいよいよ、再開発の工事概要が張り出されました。店番をしていたお母さんは、閉店と同時に退職されたのことで、ご挨拶もできないままでした。店は神田町通りの本店に集約されたとのことです。

同じく今年限りで立ち退くことになるであろう、「オギウエサイクル」の奥様が横を通られたり、名残を惜しむように向かいの「大福屋」のお母さんは相変わらずニコニコ聴いてくださっていますが、そんな中で読む「新書太閤記」は、この先どんな意味を持っていくのかな、と考えてみたり、短い時間のうちにいろいろなことを考えました。

Facebookには短いバージョンを貼りましたので、こちらにはこれを。

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中ほどの5分間です。信長と森蘭丸って、いわゆるBL的な二次創作されやすい題材だった気がしますが、もともとはさっぱりしたもので、だからこそ受け手の想像力をかき立てられる関係性が立ち上がるのでしょうね。

さて、岐阜での次回は10月27日ですので、いよいよ来週は札幌で、再来週は名古屋モノコトで、「朗読会拓使」Vol.1が迫ってきました。普通の演劇と比べると地味ー、と思われそうなところでしょうがそこは井上ひさし作品、モノが違います。読み手がそこにおいて行かれないよう、しっかり務めたいと思います。

最後に、「朗読開拓使」ではなく、「会拓使」としたのは、今回の石橋玲さんを始めとする出演者の方、ミュージシャンの方々と打ち合わせていると改めて感じることですが、何事も「わたし」からしか始まらないけれど、「あなた」とあわなければ続かない。そういう弱さを抱えながら「会って」いくことこそが大切なんだな、と。そしてこれからもそうしていくことの、軽くもなく、重くもない決意表明、という意味合いを込めています。どうぞよろしくお願い申し上げます。

ご予約はこちらから→ https://ws.formzu.net/fgen/S37382354/

以上、たぶん42歳最後の更新でありました。